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燻ログ -いぶろぐ-

徒然なるままに、その日暮らし。
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  • :04/18/18:01

12160057 ドイツの超兵器 その1

先日14日、モケモケ常連ズの方々とともに『中京AFVの会』
参加してまいりました。

何度も参加されている方からの話によると、今回は参加者、お客ともに
例年よりもかなり多かったようで、しかも作品の質も相当高かったそうです。

そんな中、モケモケ常連ズの筆頭たるホワイトタイガーさんが、何と
入賞! 見事銅賞に輝かれました! ワ~パチパチ!!


模型展示会には何度も足を運んでおりますが、今回はトビキリ濃厚で
楽しく過ごすことができました。


ちなみに今回は、『関西AFVの会』に引き続き、私も作品を展示しました。

前日の日記にて書いた通り、作品内容はドイツ軍の超兵器V1V2


今回から数度に亘り、制作記と超兵器トリビアを連載したいと考えております。





でわ、早速参りましょう!

まずは世界初の無人飛行爆弾 Fi103 A-1 報復兵器1号、
通称『V1』
です!!



ここをご覧になっている方ならば、ご存知の方もおられると思いますが、
第二次世界大戦後期、みんなのチョビ髭ヒトラー総統のイギリスへの
猛烈な憎しみが生み出した『仕返し』の兵器。
それがこの『V1』です。

ちなみにV1は略称で、正しくは『Vergeltungswaffe 1』
日本語に直訳すると『復讐の武器』となります。

兵器としての正式名称は『Fi103』なのですが、タイピングがメンドイので
ここではV1で統一させて頂きます。



さて、少し前に香港のプラモメーカー、ブロンコがこれまでガレージキット
でしかなかった1/35サイズのV1を、何とインジェクションキットとして
発売しました。
この衝撃的ニュースに感涙したのは私だけではあるまい!!




全世界のゲテモノスキーを代表し、ここで言わせて頂こう!
ブロンコよ、ありがとう!!!







…え~、脱線しました。失礼おば。




それではキットの紹介を。





   v1-2.jpg

 妙に細長く、異様に破けやすい箱の中にはあっさり目なキットが。
 あと、説明書が酷い扱い。せっかくのカラーなのに、もちょっとどうにか
 ならんかったのか…?


キット内容は本体であるV1と、発射台まで運ぶ際に使う簡易ドリーが付属。

こやつ、一応航空機なのですが何せ扱いは巡航ミサイル。撃ち出したらあとは
目標に突入するのみ。つまりは車輪がないわけですが、このドリーのおかげで
展示には困りません。



ってか、組み始めて驚きました。
このキット、何とパチ組みできるのです!!

V1本体の各パーツにはパチ組みの為の爪と穴が完備! しかも意外と
しっかりハマってイイ感じ!!



主翼、尾翼ともにシャープで薄く、全体像もV1の特徴を非常によく捉えて
いて、素組みでも充分かっこいい。手を入れるところもほとんどないと
思います。


私は折角作るので、一部…ホンマに一部ですが、省略されているディティールを
追加することにしました。




   fi103-02.jpg

 ホンマにすいません…毎度毎度ピンボケで…
 このV1の動力であり、特徴でもあるパルスジェットエンジン。
 その基部にある点火プラグが省略されていたので、1mmプラ棒と
 0.5mm真鍮線にて再現。
 エンジンと本体を繋ぐ支柱にあるピトー管が、ただのプラ棒で
 インパクトに欠けると思い、モケモケさんで購入した外径0.6Φの
 真鍮パイプに置き換えました。




   fi103-03.jpg

 パルスジェットエンジンの吸気口にあるメッシュのモールドがちと
 甘いと感じたので、これまたモケモケさんから頂いた茶漉しの網
 丸く切ったものに、真鍮線と真鍮パイプを短く切断し接着。エンジンの
 カバーパーツに後ではめ込みます。
 以前ネットにて入手した吸気口のアップ写真を見ながら制作しました。
 本当にこんな形なんですよ!



 
   fi103-01.jpg

 このキット…V1本体の出来は秀逸なのですが、ドリーの出来が…
 モールドとかの問題ではなく、細部のヒケが激しいのです。
 おそらくV1に意識が行き過ぎてドリーは力尽きてる感じ…
 特に、ドリー本体の端がヒドイ。いちいち埋めるのがメンドイので、
 以前激安店で購入したベルトの穴開けポンチを使い、薄いプラ板を
 3.5Φで打ち抜いて各所に貼り付けました。
 


私が追加した点は上記の4点だけです。ってか、私の手元にある資料を
見ると、たぶんこれ以上ディティールアップする必要はないというくらい
イイ出来です。(褒め過ぎかしら…?)



パチパチ組んで、接着剤を流し込み、ほとんどストレスなく完成。
あとは色を塗るだけです。


塗装は、前回の日記にありますパッケージイラスト通りのスタンダードな
V1を目指すことにしました。


私は基本的にタミヤアクリルカラーを使用します。
機体上面の緑っぽい色は…

『XF-73 濃緑色(陸上自衛隊)』(ベース色)
『XF-58 オリーブグリーン』
『XF-60 ダークイエロー』
『XF-66 ライトグレイ』

を、雰囲気で調合。




機体下部の白っぽい色は…

『XF-66 ライトグレイ』(ベース色)
『XF-2 フラットホワイト』
『XF-18 ミディアムブルー』


を、これまた雰囲気で調合。



ひたすら自分のイメージに合うまで試し吹きしました。
手元にあるカラーでいかに『それっぽい』『自分が思う』色を
再現するか。
普段はめんどくさがりなのに、この作業は結構楽しいんですよね。


故に、二度と同じ色を作れないというデカイ欠点もありますが…




機体の塗装はそれでよかったんですが、ここでふと疑問が。


このドリー、どんな色なんだろう…?



白黒の動画や資料写真を見ると、かなり暗い色なので黒っぽい感じ。
確か、タミヤが1/48で出したV1のドリーの色はダークグレーだった気が…



う~~ん…仕方ない…


私の必殺技を使うしかあるまい。





困ったときは、NATOブラック!!





エンジンの色、タイヤの色、モビルスーツの武器の色…

私は悩んだとき、必ずこの色に助けてもらうのです!



『XF-69 NATOブラック』

今年作った陸上自衛隊の化学防護車。この車両のタイヤを塗る際に
購入したカラーだったのですが…そのまま塗ったときの色褪せた感が
あるつや消しの具合が最高にツボでして。
それ以降、いろんな場面で活躍してもらってます。


今回もそんな魔法の色、NATOブラックで塗っちまうとしましょう!!



さてさて、乾燥時間も合わせると2日かかりましたが、無事塗装も終了。


あとは付属のデカールを貼れば完成です!!




さてさて…デカールはっと…



ガサゴソ。



ガサゴソ。












……あれ?









ガサゴソ。







ガサゴソ。











……え? ちょ、ちょっと待てよ……確かここに……










ガサゴソガサゴゾゾズゾガシャーン!!





ガシャバキゴソパカッ。ズザザーーッ!!











な……














ない……!!!








コタツをひっくり返し、カーペットを上げ、椅子をどかし、さらに全裸
なってまで探しましたが、デカールは忽然と姿を消してしまいました…



このキットをモケモケさんのところで購入した際、店長とデカールを見て
話した記憶があるので、欠品というワケではないはず…

おそらく、キットが入っていた袋にデカールを入れていて、その袋をゴミと
して出してしまったのでしょう…


嗚呼……マジ凹み……




しかし、凹んでいるヒマはありません。

時は金曜夜。もう展示会まで時間がない…!
確かモケモケさんのところには在庫はなかったはず…
くッ、八方塞かッ!!


V1は細かな注意書きが大量に書き込まれています。
キット付属のデカールは、その細部に至るまで非常に綺麗に再現された
見事なものでした。

あれ無しではV1の…このキットの魅力が半減してしまうッ!!





そのとき、電話が鳴りました。




電話の相手はモデラー仲間でもある友人。





私 「…なんやねん」



友 「おいっす。お前、今模型作っとるんやろ? もうじきそっちの近く通るで
   ちょっと見せてーな」



私 「…実は、今作ってるヤツのデカールなくしちまって…見せれる心境じゃ
   ないんやわ…」



友 「え!? マジか」



私 「明後日までに完成させなあかんし、すまんが、また今度に――」



友 「俺さ、今タムタムにおるんやわ。後で金払ってくれるなら、そのキット買って
   そっちに持ってったるけど?」





私 「ホンマか!!?」





渡りに船、捨てる神あれば拾う神あり!!


一刻を争う私は友人にキットの名前を告げ、店員にも聞いてもらいました。




友 「ブロンコのFi103…V1ミサイルですけど――。 ああ、在庫あるって」




私 「よっしゃぁああーーッ!!!」




友 「2800円!? 高ッ!!! んじゃ、買うわー」



私 「すまん…俺は…お前のようなダチを持てて幸せだ…本当に、ありがとう…」



友 「気にすんなよ。俺とお前の仲だろうが!」






我が心の友は爽やかに述べ奉り、電話を切りました。



ちなみに私はV1の大ファン。2機あっても無問題。買ってきてもらうキットの
デカールをスキャンして試射型に改造し印刷するのもいいな…ふふっ。






1時間程して、友人が我が家に到着。




私 「お待ちしておりました我が友よ…どうぞ、お上がり下され…」



私はコーラ柿の種という、持てる全ての贅沢品を用意して彼を歓迎。



友人は満足そうに座り、約束の品をズイッと差し出しました。




私 「おお…あ、ありがと―――」



















   fi103-04.jpg
















 _| ̄|_    //ヽ\
 |      '|/ / ノ  "´ ̄ ̄''''‐-...ノヽ
 |__|'' ̄!  !    /            丶 |
   ,‐´ .ノ''   /  ,ィ             \
   ヽ-''"   7_//         _/^ 、 `、
┌───┐  /          / 、_(o)_,;j ヽ|
|┌─,  .|  /.           -   =-{_(o)
└┘ ノ ノ   |/        ,r' / ̄''''‐-..,>
   //   {         i' i    _   `ヽ
          ̄フ       i' l  r' ,..二''ァ ,ノ
   n      / 彡       l  /''"´ 〈/ /
   ll     _ > .  彡    ;: |  !    i {
   l|       \ l 彡l     ;. l |     | !
   |l      トー-.   !.    ; |. | ,. -、,...、| :l
   ll     |彡     l    ; l i   i  | l
   ll     iヾ 彡     l   ;: l |  { j {
   |l     { 彡|.      ゝ  ;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n  l 彡   ::.   \ ヽ、__     ノ
  |!  |!  |!   l彡|    ::.     `ー-`ニ''ブ
  o  o  o   l      :.         |


              ↑ 私






友 「え? 何?」



私 「てめぇえぁあああ!!! こりゃ有人試作機ライヒェンベルクぢゃねぇかよ!!」



友 「え…? で、でもこれってV1じゃねーの?」



私 「V1だけどV1ぢゃねぇんだよ!! あぁぁああぁあああーー!!






久々に絶叫しました…



ぐあああ! 俺の説明不足だったぁあああ!! もうライヒェンベルクが
発売されていたとは盲点! タム店員も発売直後だったから疑問に
思わなかったのかもしれん…ぐぅううぅっッッ!!




が、よくよく調べてみると、実機の資料が少なくて分からなかったのか、
ブロンコさんの手抜きか分かりませんが、このライヒェンベルクに
入っているデカールは、私の持っているV1と同じものでした!



一応別機体ですし、いずれ買うつもりだったので、結果オーライ…


友人にはちゃんと礼をして、作っているV1も見せ、買って来てくれたヤツと
何が違うのか2時間ほど講義をし、帰宅して頂きました。




友人の帰宅後、デカール貼りに入ったのですが…これ、薄いわ小さいわ
細かいわで結構貼るの大変です。
しかしそれが幸いし、マークソフターを少し塗るだけでデカール特有の
段差がほとんど気にならなくなりました。ってか、密着し過ぎで修正が
きかなくなるので要注意。



会社から帰ってきてチマチマ作業し2週間、何とか完成に漕ぎつけました!

以下が完成写真となります。ちょっと暗いかも…





   fi103-05.jpg

 個人的ベスト角度。おおおっ、やっぱカッコイイーー!




   fi103-06.jpg

 真横からパチッ。無駄のない引き締まった肉体が美しい…




   fi103-07.jpg

 後ろからパチッ。滑らかな曲線を描くヒップラインに釘付け。




   fi103-08.jpg

 機体右横から。注意書きは左側に集中してるので、こっち側はあっさり。




   fi103-09.jpg

 機体先っぽの小型プロペラ。資料を見ると光沢のあるブラックだったので、
 タミヤアクリルカラーの『セミグロスブラック』で塗装。




   fi103-10.jpg

 パルスジェットエンジンのアップ。せっかく作ったメッシュも暗くて見えない…
 ちなみにエンジン上の点火プラグは塗装を削って真鍮の色をそのまま出して
 ます。




   fi103-11.jpg

 大きさが分かりにくいので、以前鉄道輸送ティーガーを作ったときに
 制作した同スケールのフィギュアを配置してみました。
 デカッ! 使い捨ての兵器なのに意外と大きいことが分かります。
 





如何だったでしょうか? 途中でコントを挟んだ気もしますが、久々の
1/35模型制作記、楽しんでいただけましたか?

もしこれを読んでる方で、これからV1を作ろうと思われておられるなら、
何らかの形で参考になれば幸いです。


なお、本物のV1の詳しい情報は、後述するV2とともに改めて書きたいと
思っています。

 

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お久しぶりです。

燻さん、こんにちは。
先日モケモケにてV1&V2見せてもらいました。いいですねぇ。この手のキットは持っていないのですが、完成品を見ると、作ってみたくなりますよ。ベースの色とのマッチングもGOODです。運搬車なんかとも絡められるし、ミサイル・キットの楽しさを教えてもらった感じです。
また、モケ忘でお話お聞かせください。

  • :2008年12月17日水
  • +URL
  • +:みずの
  • +

こんばんは!

みずのさんお久しぶりです。
書き込み、ありがとうございます!

おお、報復兵器シリーズ、ご覧になって頂けましたか? お褒め頂き、
光栄の極みです!
ミサイル等の兵器は一発コッキリ撃ちっぱなしなので汚すことが出来ず、
塗装が単調になりがちですが、完成すると結構カッコイイのです。
みずのさんも、是非とも我が『ミサイラーの会』にご参加下さい(笑)

ちなみにベースですが…100円ショップで買ったニスを使ったところ、
アイボリーと表記されてるのに、かなり赤紫に近い色なってしまい、
思ったようなベースに仕上げられなかったのです。
でも、何か錆止めのプライマーっぽい色で、逆に秘密兵器っぽくなったかなと
強引に納得しております。

こちらこそ、モケ忘ではいろいろご教授願いますです!
それでは…

  • :2008年12月18日木
  • +URL
  • +:燻
  • +

美しいですね。

燻さんこんばんは。いつも楽しく拝読させてもらっています。
V1非常に美しい機体ですね。私も作りたくなりましたよ。しかしパチ組ができるとは凄いですね。

  • :2008年12月19日金
  • +
  • +:hiroz
  • +

ありがとうございます!

hirozさんこんばんは! 書き込みありがとうございます。

おおっ、空モノに関してhirozさんにお褒め頂けるとは光栄です。
このキットはなかなかにして傑作ですよ~。
私もパチ組みができるとは思いもよりませんでした(笑)
使い捨て…つまり兵器としては極限にまで突き詰められた実用美、
とでも言うのでしょうか。機能美とはまた違う、一切無駄のない美しさが
あるんですよね。ミサイルには。
機会がありましたら是非とも作ってみて下さい。
そしてみずのさん同様、我が『ミサイラーの会』に…

  • :2008年12月20日土
  • +URL
  • +:燻
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